***瞼奥の永遠

―2―







全てが苛立つ。
全てが嫌い。
全てが、もう、嫌になる。



散らかった部屋を見渡して、祐希は瞳を細めた。
片付けろと怒鳴る親は、もういなくて
片付けろと喚く兄がいる。

ああ、苛々する

棚にある雑誌に瞳がいって、祐希はそれを取ると
床に投げ捨てた。
散らかる。
もっと、散らかっていく。

「リーベ・デルタ……」




アンタは逃げるんだろ?
アンタは逃げるんだ



そんなの、許しはしない





瞳を顰めて、祐希はベッドから起き上がって
それでもまだ片付いている勉強机へ歩んだ。
祐希も、リーベ・デルタへ行く。
試験は、勉強しなくとも簡単なモノだった。
彼を引き落とすように、スキップもした。


逃がしはしない
逃がしはしない

この怒りは増長されていく


何の気はなしに、祐希は引き出しを開ける。
中に突っ込まれている紙や本、物を出して床に放り投げた。
机の引き出しを一つ一つ、空にして
そして最後に一番上の引き出しを開けようとした。

ガッ

開かない。
瞳を顰めて、もう一度開けようとしたが開かなかった。
視線を落としてみれば、小さな鍵穴を見つける。
鍵が掛かっているのだ。
舌打ちをして、祐希は力任せに引いた。

ガゴッ

鍵が壊れる音がして、引き出しが開く。
ガタンッと中身が振動でぶつかり音を立てた。
他の引き出しとは違い、一つだけしか物が入っていなかった。
奥歯を噛み慣らし、瞳を祐希は閉じる。







ねぇ、やくそくね

ああ、約束だ









ガタンッ

引き出しを閉めた。
机の上にある本を投げ捨てて、祐希はベッドへと倒れ込む。



逃がさない
許さない







では、自分は何を求めているのか。
答えはない。

『永遠』という言葉が浮かんで
吐き気を覚えるだけだ。









いつか、途絶えて欲しい
この全てから





(続)
まぁ、祐希です。
祐希の部屋に机あったっけか?
それほど、散らかっていて、丸まってる祐希の姿しか浮かばない(汗)。
無性に、散らかしたくなるって事、ありません??みたいな

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