**ふたりはらびゅな恋人






ちゃららっちゃらーん!

『イクミ君、レベルup!!』

「……」

『昂治の愛、3ポイントup!!』

「………」

『押し倒す?
押し倒さない?』

「押し倒すvvv」

「倒すなーーーーー!!!!」

ポカッ

「昂治のにゃんこパンチ。
イクミ君、32のダメージ、残りHP28。」

そのイクミの言葉に昂治はため息をついた。
イクミはベットに横たわり、
ノートパソコンを開いている。

「なんなんだよ、それっ!!」

昂治はというと、机で一生懸命にレポートに
取り組んでいた。

「ゲームでーーす。
恋愛シュミレーションって奴らしい。」

「そういうのってレベルとかあったか?」

ゲームにはあまり詳しくない。
だがうろ覚えであるが、多少の知識はある。
イクミはノーパソの画面を見ながら
話を続けた。

「なんかねー敵が出てきて、倒すんですよー。」

「……まぁいいけど…つーかさ、主人公は解る。
何で俺の名前が出てるんだよ。」

「だから恋愛シュミレーションだもん。」

「理由になってない、」

今日は休日である。
2度目のリヴァイアスは穏やかで平和な日々。
いつもなら、すぐひっついてくるイクミが
めずらしくひっついてこない。
ヴァイタルガーダーチームの1人から、
今やっているゲームを借りたらしい。

「んーっとね、登場人物がさ、リヴァイアスに
乗ってる方々なんですよー。
だかた昂治もいるのv」

「…あのさ、それは解った。
何でレベルが上がると俺の愛が上がるんだよ!」

「どうしてでしょー、」

ニコニコとイクミは笑っている。
盛大にため息をついて、イクミから視線を逸らした。
乗艦して早2ヶ月。
時々、いざこざがあるが、イクミは“イクミ”になっていた。
夜になれば、少し泣いたりする時もあるけれど
普通に戻れて笑い合える事が出来るようになって
昂治は安心している。

「いいじゃん、昂治の愛は俺のモノなんだからーv」

「よくない!!押し倒すなよ!!絶対に!!!」

何もかも曝け出して、言い合う時もあった。
けれど過ぎてみれば、頭を抱えてしまう関係になっていた。

「ゲームやってるの俺っしょ?」

「そんなの知るか!!」

勉強をしている横でイクミはゲームをしている。
当初は適当にやって終わらすつもりだったらしいが
何やら、はまったというか、自棄になったといか。
かれこれ3時間はやっている。
その間、BGMとして昂治が聞こえる程度の音量で
ゲームをしていた。

『昂治が現れた
話す?
くどく?
押し倒す?』

「押し倒しゅーーーーvvvv」

「倒すなよ!!!」

と、この3時間、こんな感じである。
ゲームだとくくっていた昂治は、最初は聞き流していた。
だが、押し倒すと選んだ途端に、
妖しげな曲が流れキワドイセリフが聞こえるわ、
何やら喘ぎのような声は聞こえるわで
とんでもない事である。
ただでさえ、休日で2人きりで。

――イクミめーーー…

恨めしげに内心で唸る。
健全?な男子高校生の昂治だ。
少なからずアレに関しての欲求はある。
イクミ相手で必然的かはわからないが、
抱かれる立場として苦しい事もあるけれど
抱かれたいと思っているし、今すぐ!したい
なんてハシタナイ感情がある。
だが、今やっているリポートは明日提出で
仕上げたい。
気恥ずかしさと理性が、本能で思っている
欲求を抑え込んでいる。

――察しろよ…たくっ

「にゅーー、じゃ…くどいていい?」

「俺に聞くなよ!」

「だって昂治、ダメだって云うじゃん。」

「…あーーもうっ!!
静かにゲームしてろよ!!!」

「ふぁあーーい。」

落ち着いた雰囲気のある昂治だが、
些か短気である。
そういう所は弟クンと一緒だなぁと
イクミは思いながら画面を見つめた。

――それにしても…よく出来てますね…

イベントの絵はイラストであるけれど、
ドキドキするイベントなどあり
イクミはいつの間にか没頭していた。
祐希やブルー、その他の面々が
邪魔しにくると云うのがヤケにリアルだ。

――つーか、今の生活そのまんまって感じ?

本当は今すぐ昂治を抱きしめて
求める心を知ってもらたい。
けれどそれは子供の我がままに思えて
我慢はしている。
その我慢もすぐ砕けてしまうモノだけれど。

――でもでもー…

「押し倒しちゃおう!」

「押し倒すなって言ってる…て、おい!!」

後ろからイクミは昂治に抱きついた。

「あうーー、昂治くーーん。
イクミ君、すっごく寂しいのよ。慰めて?」

「知るかよ!!離せったら!!」

「にゃあーーん!」

「にゃーんじゃない!!キモチワルイ!!」

しくしくと泣きマネをして、イクミは昂治を抱きしめる。
ふざけてはいるが、慰めてほしいのは本当である。

「キモチワルイはないっしょ?
いつも昂治をキモチヨクさせてるじゃん!!」

「うるさい!!俺は勉強してんだよ!!」

「じゃあさー、このままでいい?邪魔しないからー、」

「十分邪魔してるんだよっ、ゲームしてろよ!」

「だってだって、あのゲームヒドイすよ?
俺のモノが役立たずだって言うんですー。
昂治クンに治して貰ったというのに!失礼じゃないっすか?」

昂治がため息をつく。

「そんなの俺が知るか…」

「それにそれに、昂治がイイ所って腰だけだって!
耳も胸もついでに太股とか昂治はイイ所なのにぃーー!!」

「…イクミ、」

「しかも、しかも、しかも!!
騎乗位とかできないって!!それに、フェラが下手とも
言うてるんですよーーー!!!失敬じゃないっすか!!
俺がちゃんと教え込んで昂治は上手いハズなのに!」

ペラペラと喋るイクミに昂治の顔が真っ赤になっていく。
だが表情は怒りに満ちていた。

「イクミ!いい加減にっっ!」

「昨日なんて、口の中に出さなくていいって言ったのに
昂治がいいよ、出せよって言ってくれたから。
感動して、ついつい奥まで突っ込んじゃったけど
ちゃんと飲み干してくれたもんね!」

「そうそう、苦しかったけどな。
それでも足りないって言うから顔射したんだよな。」

「顔射は征服感とかあっていい感じなんだけど。
髪とかに掛かって大変なんすよね。
でも昂治がそれさえ舐めてくれて。
おいしいなんて言うもんだから、第3ラウンド
いっちゃって。なかなか積極的に
昂治は腰振ってくれたし。
胸とか、つーか全身あます事なくかけたから
最後はドロドロになっちゃったから
あんま関係ないっすかね!」

「まあな、あの後処理に困ったけど。
イクミの精液にまみれるのも嫌いじゃないし……」

ハッと昂治は我を返る。
そしてニヤと笑うイクミがいた。

「卑怯だぞ!!!イクミ!!!」

「今のは昂治が勝手に言ったんじゃん!」

「誘導尋問だ!つーかさ、離れろ!!」

ため息をついて、イクミがレポートの紙面を指差す。

「ここ間違ってる、この式を連用させるんだ。」

「あ、そうなのか?」

抱きつきながらイクミは昂治に教えた。

「…て、あのな!離れろよ!!」

「嫌だよ、昂治…離れたくない。」

「あーはいはい。」

軽く流す昂治にイクミは本格的に
泣き出したい気分になった。

「ううっ…ひどい……」

「っ!!マジ泣きかよ!!」

「うわーーん!あまりのギャップにアレだから、
ついつい陰毛剃っちゃいましたよーーー!!」

「剃るなーーー!!!!」

「そしたら中々いい感じって言ってたから。
昂治試してみていい?」

泣き顔でイクミが聞いてくる。
はっきりいって、そういう顔は弱い。
昂治が息を呑んでイクミを睨む。

「ダメ…?」

うるうるうる。

「……わかったよ!試させてやるから!!
レポート手伝えよ!!!」

「はぁあーーーい♪」









その後どうなったかというと、
浴室には似つかわしくない声がしはじめたのは
午後の昼過ぎだった。

「ちょ…やっぱ…」

「だーめ!昂治、じっとしててね。」

「…わっ…やだ!」

「傷つけたくないんだ…じっとしてて。」

泣きそうな顔に昂治の動きが止まる。

ジョリジョリジョリ

「やぁ…やあ、やぁ、や、や!!」

「ふぃーー、完了…カワイイ…昂治…」

「バカ!見るな!!やっああ!!」

カタンと手に持たれていた剃刀を
端にイクミは置いた。

「んぅ、や、やっあ、あ…ぁあ!」

「ココ、痕ついちゃった…昂治いい?」

「いい、いいよ…はあ、あ、もっと…」




といった感じだった。









次の日。

「ありがとでしたー、ゲーム♪」

マルコにイクミはゲームのチップを渡した。

「早かったな、」

「まあね♪」

るるんとした気分で操縦席に座る。
ちょうど横にいる祐希がこちらを見ていた。

「ん?祐希クンなんですか?」

「…何も用なんかねぇよ、」

「ゲーム借りてやったんだけど、
上手くいかなくてイライラしながらも
進んでみたら押し倒す機会があったとか?」

「そうなんだ、逃げるから押さえつけたら
モードが変わって、蝋燭なんか出てきやがった。」

「で、一応やってみたんだ昂治クンと。」

「ああ、本物の方が良かったけど。
まぁ………って、ぅ尾瀬ぇぇーーーー!!!」

睨んでくる祐希にイクミは苦笑いをした。

――いやー兄弟よく似ていること…

「安心しろ、祐希。」

「……何をだ。」

「いやー丸見えでいい感じでしたーv」

「てめぇ兄貴に何をした!!!」

「いやーん、祐希クン恐いーー!」





とかなりアレな会話が繰り広げられた。
ちなみに昂治はベットに撃沈。
だがリポートは何故かA判定だった。







(終)
○○○○はしてないよ!とか言ってた私。
書いてましたね。自分、きれいに過去にしてました……。
私の書くイクミは私が書く、私が書く某ナイーブ主人公に似ている…(苦)

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